たとえ発明者個人が絶望と失意のなかに、その暗い生を終えたとしても、かれの意志とかれの築いた物は死にたえはしません。
人間輪廻という教えは信じがたいが、発明は輪廻する。
それは姿を変え形を新たにして新生しまた転生する。
西洋の諺に「太陽のもとに新しきものなし」とあるのは、その裏返し表現です。
カール・クリッチのロータリー・グラビア印刷がその一例です。
この印刷方式は唐突に彼の独創で作りあげられたものではありません。
クリッチははじめ散粉式のグラビア製版をくふうしました。
この散粉法はかれ以前、フランスのルプリンスがくふうしたアクアチントという凹版に使われていました。
これも後のキヤノン トナーの歴史につながるのです。