2011年5月アーカイブ

こんばんは。印刷の歴史はとても奥深く、長いものです。


リサイクルインクが使用されている現代まで、様々なことがありました。


アクアチント凹版は1768年頃考案されたのですが、これまた秘密法で公開されたのは1780年代です。


これは銅板に樹脂の粉を落して、あぶって附着させ、何回も何回もニスで塗り止めしては、要部を腐食することによって、絵画的な手描凹版を作る方法です。


だから商業印刷には使いにくく、美術版画の作成手段として使われました。


スペインの巨匠ゴヤはその使用者として有名です。


また、クリッチはカーボンチッシュを使いました。


これはじょうぶな紙に、カーボンブラックを混ぜたゼラチンをぶ厚く塗ったものです。


それを重クロム酸カリウムの溶液にひたして乾かすと感光性になります。

たとえ発明者個人が絶望と失意のなかに、その暗い生を終えたとしても、かれの意志とかれの築いた物は死にたえはしません。


人間輪廻という教えは信じがたいが、発明は輪廻する。


それは姿を変え形を新たにして新生しまた転生する。


西洋の諺に「太陽のもとに新しきものなし」とあるのは、その裏返し表現です。


カール・クリッチのロータリー・グラビア印刷がその一例です。


この印刷方式は唐突に彼の独創で作りあげられたものではありません。


クリッチははじめ散粉式のグラビア製版をくふうしました。


この散粉法はかれ以前、フランスのルプリンスがくふうしたアクアチントという凹版に使われていました。


これも後のキヤノン トナーの歴史につながるのです。